これからの人生の、いろんな場面で背中を押してくれる体験

下呂ふるさとワーキングホリデー生:堀内 敬裕さん(大学生)
受入れ事業者:南飛騨馬瀬川観光協会(下呂市馬瀬地区) 滞在先:民泊TaMaRiBa

■今回、下呂ふるさとワーキングホリデーに参加したきっかけを教えてください。

ふるさとワーキングホリデー自体はこれまでに2度参加したことがありました。
その中で、やはり地域にはワーホリを通してしか知ることのできない魅力があると感じたので、今回も参加を決めました。総務省のサイトで受け入れ先を探していた時に観光協会という珍しい募集を見つけ、下呂のワーホリに応募させていただきました。いままで岐阜県には一度も訪れたことがなかったというのも参加の決め手です。

■期間中は、どんなお仕事をしましたか?

南飛騨馬瀬川観光協会が運営する「水辺の館」という自然体験施設での手伝いが主な仕事でした。具体的にはアマゴのつかみ取り体験を行なっていました。生簀からアマゴを運んで池に放流し、お客さんにつかみ取りを楽しんでもらいます。アマゴは動きが俊敏で苦戦される方もいたので、こちらでアシストすることもありました。子どもから大人まで楽しんでもらえて、「また来たい」と言ってくれるお客さんが多かったことが印象的でした。また、捕まえた後のアマゴを捌いて内臓を取り、串に刺して焼くところまで教えてもらいました。慣れない作業だったので一匹一匹時間がかかってしまいましたが、とても貴重な体験ができました。


BBQ場の運営も行っているので、その準備・片付けも毎日行っていました。お客さんが焼く飛騨牛の美味しそうな匂いに耐えながら働くのは大変でした。雨の日やお客さんの少ないときは花火大会の準備を手伝いました。看板をラミネートしたりリストを確認したり、大きな行事の運営の裏にも地道な作業があるということを体感しました。

1日の楽しみはやはりまかないです。鶏ちゃんやカレー、アマゴのバーガーなど美味しいものをたくさんいただきました。そのせいか、ワーホリ終了後には2.5㎏ほど体重が増えていました。

■滞在中の暮らしは、どうでしたか?

期間中、電動アシストの自転車を貸していただいていたので、仕事が終わった後は自転車で馬瀬を見て回りました。
写真が好きで、カメラを持ちながら探検するのが楽しかったです。
緑の山々と綺麗な川は撮り甲斐がありました。夜には宿の近くの温泉に毎日入りに行きました。とても大きなお風呂で種類も多く、全てのお風呂を制覇できたのは帰る前日でした。

また、民泊の方がバイクを貸してくれました。マニュアルで、さらにエンジンの始動はキックスタートのみだったので慣れるまで苦労しましたが、おかげで下呂の温泉街や金山巨石群の辺りまで行くことができました。

車がないとコンビニにもスーパーにも行けないところで、馬瀬に来る前は何度も「何もないよ」と言われていました。しかし、周りの方の助けもあり2週間の滞在中は特に不満も不安もなく過ごすことができました。

■地域の方々とはどんな交流がありましたか?

高山に用事があるという方の車に乗せていただき、高山まで送ってもらうことがありました。
行き帰りの車の中で色々なお話が聞けたのでよかったです。民泊には他のお客さんも宿泊されるので、そこでの交流もありました。お子さんと一緒に遊んだり、バイクの詳しい方にキックスタートのコツを教えてもらったりしました。馬瀬の方は皆親切で、「あったばかりの人にそこまでしていいの!?」と思うほど様々な場面で助けていただきました。

■今回の滞在を一言で表すと?

「もう一つの日常」です。来る前は非日常を楽しむつもりでいましたが、気付けば自分の居場所ができていて、馬瀬での暮らしも心地のよい日常のように思えてきました。そう思えたのも「いってらっしゃい」と「おかえり」を言ってくれる民泊の方がいて、毎日顔を合わせる仕事場の方がいて、何かあったら助けてくれる人がいてくれたからだと思います。そして、また馬瀬を訪れたときには同じように自分を受け入れてくれるという安心感があります。今回の滞在は2週間だけでしたが、自分にとってのもう一つのふるさとに出会えたと思っています。

■今回の滞在で得た学びやこれからの人生で生かしていきたいこと
下呂での生活を肌で感じたことが一番の収穫です。私は春から旅行会社に就職します。そのため、これから様々な地域と関わっていくことになります。そのような仕事をする上で、自分の肌で感じて目で見た経験があるのとないのとでは大きな差が生まれると考えています。知識は本やネットからも得られますが、この経験は実際に滞在しないと得られませんでした。

 百聞は一見にしかずとは言いますが、一見どころか実際に生活してみないと分からないことがたくさんありました。さらに、たった2週間の滞在では分からなかったこともたくさんあるはずです。今回のワーホリを通して、自分の五感で感じるということの大切さを学ぶことができました。下呂での経験は、きっとこれからの人生のいろんな場面で背中を押してくれると思います。